各種調査活動


[1] 当会が実施している各種調査活動

 野鳥の生息状況の科学的調査を行うことにより、その地域での野鳥の生態をより正確に知ることができるようになります。当会ではこれまで行政などの委託を受けてもりおか近郊の野鳥に関する様々な生息状況調査を実施しており、現在は環境省の実施している「全国一斉ガンカモ調査」「モニタリング1000」「全国野鳥繁殖分布調査」などに全面的に協力しております。また当会独自の「夏鳥・冬鳥・旅鳥の初認・終認調査」「春と秋のガン・ハクチョウ類亘追跡調査」「カッコウ。オオジシギ・チゴハヤブサ生息調査」、毎年2月の「海ワシ調査」など多岐に渡った調査活動を行っております。

 

<連絡先・報告先>

調査担当幹事(嶋田和明):shimada@iwate-u.ac.jp

なおホームページ管理者(wbsjmorioka@gmail.com)、当会事務局(passer@sc4.so-net.ne.jp)でも受け付けます。

(1) 夏鳥・冬鳥・旅鳥の渡来状況調査

(2) ガン・ハクチョウ類の春と秋の渡り状況調査

(3) ガンカモ類生息調査(環境省)


(4) カッコウ類生息状況調査

(5) オオジシギ生息状況調査

(6) チゴハヤブサ生息状況調査


(7) 海ワシ類の越冬状況調査

(8) 標識ガンカモ・ハクチョウ類追跡調査

(9) ツルの飛来状況調査(環境省)


(10) トモエガモ飛来状況調査(バードリサーチ)

(11) 2023年秋のマミチャジナイ渡り調査

(12) ホオジロ類のカウント(Bunting Count)


[2] 東アジア・オーストラリア地域フライウエイ (EAAF) について

 地球上には何通りもの大規模な渡り鳥の渡りルート(フライウェイ)がありますが、そのうちの一つでオーストラリア・ニュージーランドとシベリア・北極圏・アラスカを太平洋の西側の列島やユーラシア大陸沿いに結ぶ経路は「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ (EAAF)」と呼ばれています。実は日本列島全体はこのフライウェイの一部であり、ガンカモ・ハクチョウ類、シギ・チドリ類、海ワシ類、海鳥類など多様な野鳥の渡りが観察されます。

 このフライウェイの重要な中継地点は野鳥の生息環境保全の対象地とされております。東アジアオーストラリア地域フライウエイパートナーシップ(EAAFP)では、ガンカモ・ハクチョウ類については北日本では宮城県の伊豆沼・蕪栗沼、秋田県の大潟村・小友沼、北海道のウトナイ湖など合計20カ所、シギ・チドリ類については東京湾の谷津干潟など合計11カ所が対象地に指定されています。EAAFPについてはバードライフインターナショナル東京、及び環境省報道広報ホームページの添付書類を参照してください。

 現段階では岩手県内には相当する指定地域はありません。しかし環境省や日本野鳥の会等の各種調査により岩手県内陸部の北上川・雫石川流域と馬淵川流域、三陸沿岸部、およびその周囲の北上高地と奥羽山脈を含む広い地域が多くの渡り鳥の渡来ルートであることは既に明らかにされています。従って当会としては「渡り鳥の保護」の観点からこれらの地域の野鳥生息地の現状把握のための調査活動と自然環境の保全活動に積極的に取り組んでおります。

[3] 岩手県内陸中部〜北部で確認される野鳥チェックリスト(簡易版及び詳細版)

 岩手県内陸中部~北部で季節ごとに見られる野鳥のチェックシートを作成しましたので、野鳥観察後の鳥合わせの際などにご利用ください。なおこれらのチェックシートはあくまでも簡易版であり、掲載種はそれぞれの時期に観察される比較的一般的なものにとどめております。また詳細版については当ホームページの「会員限定コーナー」に掲載しておりますので、そちらをご覧ください。

[4] 日本鳥学会が「日本鳥類目録第8版・学名リスト」を公開

 日本鳥学会では「日本鳥類目録第7版」の改訂作業を進めており、20249月を目処に「日本鳥類目録第8版」を出版する見込みです。その出版に先立って、日本鳥学会は2023930日付で日本鳥類目録第8版の和名・学名リストを公開しました。それによれば今回の改訂では新種の追加や種の削除、和名・学名の変更、掲載順序など、変更箇所が多岐にわたるようです。

 

たとえば

(1) 日本鳥類目録第7版の出版以降に確認された新種の野鳥が加わります。

(2) いくつかの野鳥ではこれまで単一種とされていたものが別種に分かれます(例:カナダガンとシジュウカラガン)

(3)7版はキジ目が最初に記載されておりましたが、第8版では記載順序が変更されてカモ目から始まります。

 

これに合わせて鳥類目録番号も大幅に変更されます。今回の改訂により、当会の活動や皆様のバードウオッチングにも以下のような影響が出てくると思います。

(1) 野鳥の和名が変わる種について注意が必要となります。

(2) 探鳥会の「鳥合わせリスト」の掲載順序等を変更する必要があります。

(3) 当会ホームページに掲載している「岩手県内陸部野鳥チェックリスト」「盛岡エリア野鳥チェックリスト」などを改訂する必要があります。

(4) 日本鳥類目録第8版の出版後、日本国内で販売される各種の鳥類図鑑が改訂されるはずです。しばしの間だけ鳥類図鑑を買い控えしましょう。

 

 日本鳥類目録第8版の和名・学名リストは下記の日本鳥学会HPからダウンロード可能です。また、今回の改訂に関する詳細な説明についても日本鳥学会HPをご覧ください。