岩手県内の大規模風力発電・太陽光発電事業計画と当会の対応(2020年〜)


[1] 大規模風力発電・太陽光発電事業計画への対応

  北上高地を中心として岩手県内各地で大規模風力発電や大規模太陽光発電の計画が進んでいます。このような地域での発電施設の建設と稼働はこれらの野鳥の生息環境を大きく損なうことに繋がりますので、岩手県内の3支部(日本野鳥の会宮古支部・日本野鳥の会北上支部・日本野鳥の会もりおか)は協力しながらこれらの事業計画への対応に取り組んでいます。

(1) (仮称)洋野風力発電事業計画

岩手県沿岸北部の洋野町で巨大風力発電事業計画が進められており、現在は準備書段階です。

(2) (仮称)薮川地区風力発電事業計画

盛岡市等東部の岩洞湖から早坂峠・岩泉町にかけての地域での巨大風力発電事業計画が2022年8月26日付で公表されました。(6)とは別事業であり、現在は方法書段階です。


(3) (仮称)岩手大船渡陸前高田風力発電事業計画

岩手県沿岸南部の大船渡市と陸前高田市の境界地域において巨大風力発電事業計画が2022年10月6日付で公表されました。現在は配慮書段階です。

(4) (仮称)小軽米風力発電事業計画

岩手県内陸北部の軽米町と洋野町の境界地域において巨大風力発電事業計画が2022年11月30日付で公表されました。現在は配慮書段階を経ずに方法書段階に進んでいます。


(5) (仮称)岩手久慈風力発電事業計画

岩手県内陸北部の久慈市と九戸町の境界地域において巨大風力発電事業計画に関する環境影響評価方法書が2022年12月1日付で公表されました。現在は方法書段階です。

(6) (仮称)盛岡薮川風力発電事業計画

盛岡市東部の薮川地区において巨大風力発電事業計画に関する環境影響評価方法書が2022年12月16日付で公表されました。(2)とは別事業であり、現在は配慮書段階です。


(7) (仮称)岩手九戸風力発電事業計画

岩手県洋野町と軽米町の境界地区において風力発電事業計画に関する環境影響評価方法書が2023年3月14日付で公表されました。配慮書段階は省略されており、現在は方法書段階です。

(8) (仮称)稲庭風力発電事業計画

岩手県二戸市と八幡平市にまたがる地域風力発電事業計画に関する環境影響評価準備書が2023年4月18日付で公表されました。現在は準備書段階です。


(9) (仮称)宮城気仙沼風力発電事業計画

岩手県一関市と宮城県気仙沼市の境界地区において風力発電事業計画に関する環境影響評価方法書が2023年3月23日付で公表されました。現在は配慮書段階です。

(10) グリーンパワー稲庭田子風力発電事業計画

岩手県二戸市・八幡平市と青森県田子町の境界地区において「グリーンパワー稲庭田子風力発電事業(旧「(仮称)稲庭田子風力発電事業計画)」の環境影響評価書が2023年8月22日付で公表され、それに先立つ経済産業大臣の事業確定が公表されました。なお事業計画の方法書段階において当会では2016年5月10日付で事業者宛に意見書を送付し、さらに準備書段階でも2017年4月24日付で事業者宛に意見書を送付しております。


(11) 大船渡第一・第二太陽光発電所建設事業

岩手県大船渡市の大窪山から荒金山にまたがる地域において「大船渡第一・第二太陽光発電所建設事業」の環境影響評価配慮書が2019年6月に公表されました。この事業計画は現在は方法書段階に進んでおり、当会では10月2日付で事業者に意見書を送付しました。

(13) (仮称)久慈山形風力発電事業計画

20231118日付で久慈市と九戸村の境界地域に予定されている「(仮称)久慈山形風力発電事業計画」の方法書が公表されました。

(12) 盛岡簗川風力発電事業計画

盛岡市と宮古市にまたがる区界地区における「盛岡簗川風力発電事業計画」の環境影響評価方法書が2023年9月15日に公表されました。この事業計画の事業規模が5万KW以下であるため、配慮書段階は省かれております。当会では10月12日付で事業者に意見書を送付しました。



[2] 風発の環境アセスメントに関する行政への働きかけ

(1) 環境省の「風力発電事業におけるクマタカ・チュウヒに関する環境影響評価の基本的考え方(案)」に対して意見書を提出

環境省は2024年1月29日付で「風力発電事業におけるクマタカ・チュウヒに関する環境影響評価の基本的考え方(案)」を公表し、228日までの期限でこれに対するパブリックコメントを募集しておりました。これに対して当会では2月20日付で環境省宛に意見書を提出しました。