盛岡簗川風力発電事業計画


 2023915日付で盛岡市と宮古市にまたがる区界地区において新たな風力発電事業計画が公表されました。事業規模が50,000kW以下であるため、「配慮書」段階を飛ばして「方法書」段階に進んでおります。当該事業予定地は兜明神岳のすぐ北側の地域であり、会員の皆様もよくご存知の通りにイヌワシ・クマタカなどの希少猛禽類の生息地であり、オオジシギの貴重な繁殖地でもあります。従って日本野鳥の会もりおかでは野鳥保護・自然保護の観点でこの事業計画の中止を求めて対応していく予定です。

 

事業名:盛岡簗川風力発電事業計画

事業者:株式会社タカ・クリエイト

事業規模:最大46,200 kW、風車 11

事業予定地域:盛岡市簗川地区~宮古市区界地区(下記の図面参照)、兜明神岳のすぐ北側です)

詳細は下記の岩手県HPをご覧ください。

盛岡簗川風力発電事業計画の予定地

(*地図マピオンの図面を加工して使用しております)

 

区界高原とその周囲地域の野鳥についてはこちらをご覧ください。

<事態の推移について>

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(1) 2023年9月15日付で「盛岡簗川風力発電事業」計画段階環境方法書が公表されました。これに対して当会では10月12日付で事業者宛に意見書を送付しました。
(2) 2023年11月14日に宮古市区界高原上空でヒシクイ約20羽の渡りが確認されました。
(3) 2024年1月18日開催の第105回岩手県環境影響評価技術審査会において「盛岡簗川風力発電事業」計画段階環境方法書が審議され、当会から1名が傍聴しました。審査会の詳細については岩手県環境生活部HPをご覧ください。
(4) 2024年2月21日付で「盛岡簗川風力発電事業」計画段階環境方法書に対する岩手県知事意見が公表されました。
(5) 2024年3月8日付で「盛岡簗川風力発電事業」計画段階環境方法書に対する経産大臣意見が公表されました。
(6) 2024年3月18日付で「盛岡簗川風力発電事業」計画段階環境方法書に関して環境大臣宛に要望書を提出しました。
(7) 2024年5月19日に会として「盛岡簗川風力発電事業」予定地を現地視察しました。

<累積的環境影響の危惧される近隣の事業計画>

 別の事業者による「(仮称)薮川地区風力発電事業計画」「(仮称)盛岡薮川風力発電事業計画」「(仮称)宮古岩泉風力発電事業計画」が近隣地域で進められております。またやや西側の姫神山付近には既に稼働している「姫神ウインドパーク」もあります。さらにこの予定地域の南方には「早池峰自然環境保全地域」が存在します。仮にこれらの風発事業計画が全て稼働するとイヌワシ・クマタカ等の希少猛禽類やオオジシギの貴重な生息環境への大きな打撃となるのみならず、北上高地を渡りのコースとするガンカモ・ハクチョウ類などの野鳥の渡りのコースへの障壁となる可能性も非常に高まります。

(*地図マピオンの図面を加工して使用しております)

 

「(仮称)薮川地区風力発電事業計画」と「(仮称)盛岡薮川風力発電事業計画」については下記のページをご覧ください。

<連絡先>

自然保護業務担当幹事(嶋田和明)(shimada@iwate-u.ac.jp

または日本野鳥の会もりおか事務局 柴田俊夫(passer@sc4.so-net.ne.jp